憧れと現実のあいだ~クロスカブ110に辿り着くまで~

バイクが欲しい。
その欲は、もう自分を誤魔化しようがないくらい確実にあった。

一番の壁は、やはり同居するバイク嫌いの母の存在。
いい年をして…と思われるだろうが、我が家では母の存在と圧が絶対という空気がある。
とはいえ、半年ほど前に少しEVの原付の購入を考えたことがあったらしく、まったくダメというわけではなさそう。
結局その時は「ヘルメットが嫌」という理由で話は流れたが、完全拒否ではないという事実は大きかった。

そんな中で悩み続けていたのが、
「レブル250」か「クロスカブ110」、この二択だった。

そもそも、なぜバイクに乗りたいのか

自分がバイクに乗りたいと思ったきっかけは、大きく分けて二つある。

一つ目は、数年前に死んだ祖父の存在。
生前、祖父が俺にだけこぼした言葉がある。
「いつか750ccくらいのハーレーみたいなバイクで、ぶらーっと流してみたいなぁ…」

その夢は、結局叶わなかった。
だから、俺が代わりに……という思いが、ないわけじゃない。

もう一つは、もっと個人的で単純な理由だ。
琵琶湖付近を車でドライブしていた時のこと。道の駅の駐車場に入ったら、前々から気になっていたバイクが、たまたま自分の車の横に停まっていた。
気になって画像検索して知ったのが、ホンダの「レブル250」。
更にいうなら、その時に見たのはSエディションだった。

正直、一瞬で引き込まれた。
「あ、これだ」と思ったのを、今でも覚えている。

最近になって気づいたが、
この二つの思いは似て非なるものだった。

  • レブル=憧れ
  • カブ=身近な楽しみ

たぶん、そういうことなんだと思う。

カブなら何でもいい、わけじゃなかった

一時期は「もうカブなら何でもいいんじゃないか」という状態に陥りかけた。
だが、一度冷静になって考え直す。

レンタルで走ったハンターカブは125ccで馬力もあり、走りやすかった。
スーパーカブ50ccや100ccも、もちろん考えた。

ただ、どちらも悪いというわけじゃないけど、なんだかピンとこない…。
自分が乗るとどんな感じになるか、と考えて改めて調べ直して…行き着いたのが、「クロスカブ110」だった。

馬力、フォルム、カラーリング。
その全てが、自分の中で不思議としっくり来た。

専用パーツも豊富で、カスタムしていく楽しみがある。
カブ主の集まるミーティングに参加するのも楽しそうだ。
積載能力も高く、キャンプツーリングにも向いている。

そして何より、母の説得。
カブなら、まだ許されそうな気がする。
いきなりレブルを買って帰ったら……たぶんブチ切れられる。

それでも、レブルの魅力は消えない

もちろん、レブルでキャンプツーリングができないわけじゃない。
長時間走行時の身体への負担は、間違いなくレブルの方が楽だろう。

滋賀県の2りんかんで跨らせてもらった時の足つきの良さは、異常だった。
不安要素が一つもない。

対してカブは、足つきが最大の不安点だ。
シート交換、リアサス交換、それでもダメなら厚底ブーツ……と対策が必要になる。

レブルには、その心配が一切ない。
取り回しも良さそうだ。

一番の問題は「どれだけ乗るのか」

最大の悩みは、ここだった。

果たして購入して、どれだけの頻度で、どれだけの距離を走るのか。

ロードバイクを辞める気はない。
楽しみ方がまったく別物だからだ。

月に一回、近場をふらっと走る程度なのか。
それとも頻繁に遠出をするのか。
高速道路を使うなら、カブは選択肢から外れる。

ただ、ロードバイクの時もそうだった。
購入前と購入後では、走り方も距離も、想定とまったく変わる。
購入時、誰が自転車で200km以上走る日が来ると思うだろう。

まだ答えは出ていない

となると、
「クロスカブを買って、たまにレブルをレンタル」
という選択が、一番バランスが良いのかもしれない。

あるいは、
「レブルを買って、積載カスタムをする」か。

……悩ましい。

この時、答えはまだ出ていない。
でも、この悩んでいる時間も含めて、バイクの楽しみなんだと思った。

そして、答えを出す

最終的に残ったのは、レブルかクロスカブか、この二択だった。

悩みに悩んだ末、
自分の中で一つの結論に落ち着く。

「買うならクロスカブ。
レブルは、どうしても乗りたくなったらレンタルする」

現実的な使い方、頻度、母の説得。
全部を天秤にかけた結果、これが一番無理のない答えだった。

色で、さらに悩む

腹が決まると、次は楽しい悩みが始まる。

色だ。

最初はカーキグリーン一択だと思っていた。
だが調べているうちに、ある色に目が止まる。

マットジーンズブルーメタリック。

……待て。
めちゃくちゃハートに刺さる。

これだ。
直感でそう思った。

販売店探しという現実

そうなると次は販売店探しだ。

マットジーンズブルーメタリックを取り扱っている店舗を探さなくては。

県内で調べると、候補は四日市、桑名、名張あたり。
ただ、妙なことに気づく。

定価36万円に対して、
四日市:36万円
桑名:34万円
名張:32万円

……距離が遠いほど安い。
どういう仕組みなんだ。

とりあえず間を取って、桑名を見に行くことにした。

桑名、名張、そして決断

4月19日。
桑名のバイク屋を覗く。
ここで、初めて実物のマットジーンズブルーメタリックを見る。
やっぱり、良い色だ。

価格は34万円。定価より2万円安い。
店員さんの対応も良く、少し前向きに検討する。

4月26日。
観光ついでに名張市のバイク屋を覗く。

クロスカブが置かれていた。やはり良い色とサイズ感。
ただ、その横に置いてあったグロムにも、強烈に惹かれる。
危ない。寄り道しそうになる。

5月10日。
カーセンサーを見たら、桑名のページが消えていた。
きっと売れたんだろう。うわー…当たり前だけど、やっぱ売れるんだな。

本格的に動き出す

5月31日。
改めてカーセンサーで調べ直し、四日市と名張に問い合わせメールを送る。

四日市からは数時間で返信。
在庫はあるが、値引きは不可とのこと。

何かあった時に一番行きやすい場所だっただけに、少し残念だった。

6月1日。
名張の仲モータースから返信が来る。

値引きこそできないが、とにかく対応が丁寧で感じが良い。
「買うならここかな」と思い始める。
少し遠いけど、それ以上に信頼できそうだった。

決意の瞬間

6月4日。
昼休み、雲一つない青空を見上げて、静かに決めた。

買おう。

午後、ナカモータースに話を進めるメールを送る。

6月5日。
見積書が届く。
このまま契約を進めよう。

6月9日。
カブ代を振り込み、契約書を返送する。

14日以降なら納車可能らしい。

そして、クロスカブが家に来た

2025年6月21日。
少し間が空いたが、ナカモータースにいよいよ受け取りに行く。

フリードに積めて良かった…!
載らなかったら一度帰って、電車で再来して自走で帰る、となるとこだったw
終始、店員さんの対応も素晴らしかった。

「そのまま乗って帰ると思って、四日市まで帰れるくらいガソリン入れておきました」

この一言が、めちゃくちゃハートに刺さった。
なんか…日和ってすみません…w

そして夜、母の説得に1時間以上かかる。
最初、ガレージで車体を見せた瞬間には鬼の形相になったが、そこから説得を重ね、最終的に「まぁ、カブなら……」で折れてくれた。
なんにせよ、クロスカブが我が家に迎え入れられた瞬間である。

ちなみに念のため確認すると、
やっぱりレブルだったら戦争になっていたらしい。

初走行、そして課題

6月22日。
車両本体の契約と同時に、先に買っておいたローダウンシート(-1cm)に交換し、厚底ブーツを履いてシェイクダウンに出発。

鈴鹿市の千代崎海岸まで走ってみる。

乗り心地は、すごく良い。
ただし足つきは、めちゃくちゃ悪い。

要改善。

このシートは……正直、ちょっとダメだった。あんまり低くなった気がしない。
他にも気になる点がいくつかあるな…。

こうして、クロスカブとの生活が始まった。
完璧ではないが、それでいい。

試行錯誤しながら、自分の一台にしていく。
それも含めて、バイクなんだと思う。

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